ㅇ 展覧会名 : 2024年 大邱フォーラムⅢ 《誰の森、誰の世界》展
ㅇ 期 間 : 2024年 1月30日(火) ∼ 2024年 6月2日(日)
ㅇ 会 場 : 大邱美術館内 第2展示室、第3展示室、ソンクンガーデン
ㅇ 出展作家 : カン·ホング(KANG Honggoo:姜洪求)、クォン·ヘウォン(KWON Hyewon:權慧元)、
キム·オクソン(KIM Oksun:金玉善)、キム·ユジョン(KIM Yujung:金維政)、
ペク·ジョンギ(BEAK Jungki:白丁基)、ソン·サンヒ(SONG Sanghee)、
イ·セッビョル(LI Setbyul)、チャン·ハンナ(CHANG Hanna)、
チョン·ジュヨン(CHUNG Zuyoung:鄭珠泳)、
ジョン·ヘジョン(JUNG Haejung)、イ·ヘミンソン(MINSUN:旼宣)、
アニカ·イー(Anicka YI)、トマス·サラセーノ(Tomás SARACENO) (13人)
ㅇ 展示構成 : 絵画、インスタレ─ション、映像、写真など (約70点)
大邱美術館ではこの度 2024年大邱フォーラムⅢ《誰の森、誰の世界》 展を開催致します。
「大邱フォーラム」とは、本美術館の開館10周年を記念し、今後新たな10年に向けて2021年に新設された
「テーマ発掘企画展」です。
今回の大邱フォーラムでは、環境・生態系の危機に関するモチーフ(題材)を韓国国内外の同時代に生きる作家たちの
様々な作品を通じて人類が作った事実や事件を客観的な視線でありのままありに省みながら、
新しい「生態的な感受性」即ち、感情や記憶、意識を呼び起こすために企画されました。
この地球上において、世界的な気候変動および生態系の危機は、人新世(「人類の時代」という意味)の議論の浮上と共に人間と世界が直面した最も論争的且つ、重大なテーマでしょう。
2000年にオランダ人の大気化学者パウル·ヨーゼフ·クルッツェン(Paul J. Crutzen)氏と生物学者のユージン·ストーマー(Eugene F. Stoermer)氏は、人類が地球の気候と生態系を変化させ作られた新しい時代を意味する「人新世(アントロポセン:Anthropocene)」の概念を提示しました。
人新世の概念は、地球の変化に関する原因とそれに対する責任を世界中の全ての人間・人類に返したという指摘と共に、多くの学者たちを通じて「資本新世(キャピタロセン:Capitalocene)」、
「プランテーション新世(Plantationocene)」、「クトゥルー新世(Chthulucene)」、新唯物論のような学問的論争を引き起こし、何よりも、これまで地球環境問題において人間が見過ごしていた多様な関係と問題を直視するようになりました。このような時代の流れは、近年の全世界を強打した伝染病などと共に環境に対する社会的警戒心を呼び起こし「エコ」というテーゼ(These:定立)を流行らさせましたが、これもまた人間の欲望を満たす新資本主義的システムの中で依然として消費されています。
2024年 大邱フォーラムⅢ《誰の森、誰の世界》展の「誰の森、誰の世界」は、地球という小さな惑星で人間が中心となる叙事のために対象化し疎外した存在者とその風景、
そして時間を省みようとする場です。本展示では、今日の自然、非人間的存在、人間が発展させてきた都市と文明の発展の中の風景の内側と外側をゆっくりとご覧いただきます。
これらの意図を持つ作品を通じて、私たちが生きている小さな地球という宇宙の星ですが、巨大な森が誰の森で、誰の世界なのかを問い掛けます。
本展は〈春が来たのに花も咲かず鳥も泣かない…〉、〈忘れられた顔、縫い合わされた世界〉、〈世界に属し、世界と共に存在する〉という3つのセクションで構成され、カン·ホング、クォン·ヘウォン、キム·オクソン、キム·ユジョン、ペク·ジョンギ、ソン·サンヒ、イ·セッビョル、チャン·ハンナ、ジョン·ヘジョン、イ·ヘミンソン、アニカ·イー、トマス·サラセーノら、13名の作家が参加、出展しています。
この度の展示で、現在の私たち、そして自然を振り返り、最終的には人新世以降の今後の人間と自然との関係を再設定し、共生していくことについて議論できる場を設け、さらには鑑賞される皆さまが芸術家たちの作品を通じて自然・非人間・未来に対する生態的な感受性を共有できる意味のある時間になることを願っております。